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あこがれのギリシャ風景。家にいても心は旅気分!


by salasa_ohkura

続・エリザベートの離宮

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東京の新国立美術館で間もなく始まる展覧会が「THEハプスブルグ」。前回の記事でご紹介したエリザベートの肖像画はじめハプスブルグ家ゆかりの絵画や工芸品が多数出展されるそうです。

さて、こちらは引き続きギリシャのコルフ島を愛した皇妃エリザベートの話題。
この離宮は通称「アヒリオン」あるいは「アキレイオン」と呼ばれています。
「アキレウスの館」という意味。
館のシンボルとなっているのが写真のアキレウス像です。

アキレウスは神話のトロイア戦争に出てくる英雄で、女神テティスと人間の青年の間に生まれました。
息子の不死を望んだ母は、その効能があるといわれる冥界の川で赤子を沐浴させることに。
その時、テティスはアキレウスの足首の辺りを握って川に入れます。
アキレウスは不死身の体になりました。
母の手に握られて水に触れることができなかったところ以外は・・・。

どんな闘いでも命を落とさなかったアキレウスでしたが、足首の後側・アキレス腱部分に矢が刺さった時には死を逃れることはできず、トロイアの陥落を見ることなく戦地で果てました。
「アキレス腱」は、このエピソードから生まれた言葉です。(アキレスはアキレウスのローマ読み)

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エリザベートはギリシャ神話の中でもアキレウスの生きざまに惹かれていました。
大好きなギリシャの離宮にアキレウスを感じる彫像を置きたい・・・。
ベルリンの彫刻家エルンスト・ヘルターに依頼したのが写真の作品。
不死身の体のたった一つの弱点を矢で射抜かれた瞬間を劇的に表現しています。不死を願った母の思いはいかばかりだったでしょう。

この離宮はアキレウスの像にちなんで「アヒリオン」と名付けられました。
エリザベートはアキレウスの傍らに腰をかけてホメロスの『イリアス』を読んでいたそうです。




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by salasa_ohkura | 2009-09-24 18:00 | ギリシャの島